〜建築工事と建築業の種類をわかりやすく解説するシリーズ第25弾〜
建設業許可を取得・維持していくうえで欠かせないのが、「自社の工事がどの業種に該当するのか」を正確に理解することです。
建設業許可は全29種類に分類され、そのうち27業種が専門工事とされています。
今回はシリーズ第25弾として、専門工事のひとつである建具工事について、工事内容や具体例、建築一式工事との違いを含めて解説します。愛知県で建設業許可を検討されている方にとって、業種選択の判断材料となる内容です。
建設業許可における「建具工事」の位置づけ
建具工事は、建設業許可上「建具工事業」に分類される専門工事です。
建築一式工事のように建物全体を完成させる工事ではなく、建物の開口部や区画部分に建具を取り付ける工事を専門的に行う業種とされています。
サッシ、ドア、シャッターなどは建物の機能性・防犯性・快適性を左右する重要な要素であり、建具工事は建築工事の中でも専門性の高い分野です。
建具工事とはどのような工事か
建具工事とは、建築物や工作物に対して、木製・金属製・その他の建具を取り付ける工事をいいます。
単なる建具の販売ではなく、現地での取り付け・調整・固定を伴う施工行為が建具工事に該当します。
住宅から商業施設、工場、公共施設まで幅広い建物で必要とされる工事であり、新築工事だけでなく改修・リフォーム工事でも多く発生します。
建具工事の主な工事内容
建設業許可上の建具工事には、次のような工事が含まれます。
金属製建具工事
- アルミサッシの取り付け
- 玄関ドア、勝手口ドアの設置
- スチール製扉の設置工事
シャッター・自動ドア関連工事
- 店舗や倉庫のシャッター設置
- 商業施設・事務所の自動ドア設置
- 電動・手動シャッターの取り付け
カーテンウォール工事
- ビル外壁を構成するガラス・金属製建具の設置
- 高層建築物における外装建具工事
木製・内装建具工事
- 室内ドア、引き戸の取り付け
- 障子、襖などの和風建具
- 木製造作建具の設置
これらの工事を請け負って施工する場合、内容や金額によっては建具工事業の建設業許可が必要となります。
建築一式工事との違いに注意
建具工事は建築工事に深く関わりますが、建築一式工事とは明確に区別されています。
建築一式工事は、建物全体の完成を目的として工程管理や各専門工事の調整を行う工事です。
一方、建具工事は特定の専門工事のみを施工する業種であり、元請・下請いずれの場合でも、建具の施工が主となります。
「建築工事に関わっている=建築一式工事の許可が必要」とは限らない点に注意が必要です。
建具工事で建設業許可が必要となるケース
建具工事において、次のような場合は建設業許可が必要になります。
- 建具工事の請負金額が一定額を超える場合
- 元請または下請として継続的に工事を請け負う場合
- 愛知県内で営業所を設けて建具工事業を行う場合
許可の要否判断を誤ると、無許可営業と判断されるリスクもあるため、業種選択は慎重に行うことが重要です。
まとめ
今回は、建設業許可の専門工事である建具工事について解説しました。
建具工事は、建物の使い勝手や安全性に直結する重要な工事であり、専門工事として正しい許可取得が求められます。
愛知県で建設業許可を取得・更新する際は、自社が行っている工事内容がどの業種に該当するのかを正確に把握することが、事業の安定と成長につながります。
次回も引き続き、建築工事と建設業の種類・工事の内容・工事の例示シリーズとして、別の専門工事を解説していきます。
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