〜建築工事と建築業の種類をわかりやすく解説するシリーズ第26弾〜
こんにちは！
愛知県を中心に建設業許可をサポートしている行政書士すずきなおとです。
本記事は「建築工事と建築業の種類・工事の内容・工事の例示」をテーマにしたシリーズの第26弾です。
今回は、29ある建設業許可の専門工事の中から 「水道施設工事」 について解説します。
水道施設工事は、地域の生活インフラを支える重要な工事であり、公共工事との関わりも非常に深い業種です。
「管工事との違いが分からない」「どんな工事が水道施設工事に該当するのか不安」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
水道施設工事とは？
水道施設工事とは、上水道や工業用水道のための施設を設置・整備する工事をいいます。
具体的には、水を 取水し、浄化し、貯留し、配水する ための一連の施設工事が対象です。
また、公共下水道や流域下水道における処理施設の設置工事も、水道施設工事に含まれます。
単なる配管工事ではなく、「水道という仕組みそのものを構築する工事」が水道施設工事の本質といえるでしょう。
水道施設工事の工事内容
水道施設工事には、次のような工事が含まれます。
・取水施設の築造工事
・浄水場の建設や設備設置工事
・配水池や貯水施設の設置工事
・送水施設、配水施設の設置工事
・下水処理場などの処理施設工事
これらは主に公共性の高い工事であり、自治体発注の案件が多い点も特徴です。
水道施設工事の工事例（例示）
実務上、以下のような工事は水道施設工事に該当します。
・浄水場の新設・増設工事
・配水池の建設工事
・上水道用ポンプ施設の設置工事
・下水処理施設の機械設備設置工事
一方で、一般住宅の給水管引き込み工事や、建物内の給排水設備工事は、原則として水道施設工事には該当しません。
管工事・土木一式工事との違い
水道施設工事は、他の工事業種と混同されやすい代表例です。
管工事との違い
管工事は、建物や敷地内の給排水配管、空調配管などを対象とする工事です。
水道施設工事のように、浄水場や配水池といった「施設そのもの」を造る工事とは区別されます。
土木一式工事との違い
土木一式工事は、複数の専門工事を組み合わせて施工する総合的な工事です。
水道施設工事は、あくまで専門工事の一つとして位置付けられています。
水道施設工事で建設業許可が必要となるケース
水道施設工事を請け負う場合、請負金額が 500万円（税抜）以上 になると、建設業許可が必要です。
公共工事・民間工事の別は関係ありません。
また、金額が小さくても、継続的・反復的に工事を請け負う事業者は、将来的な事業拡大を見据えて許可取得を検討することをおすすめします。
愛知県で水道施設工事業の許可を取得するポイント
愛知県で水道施設工事業の建設業許可を取得するためには、主に以下の要件を満たす必要があります。
経営業務の管理責任者
一定期間、建設業の経営に携わった経験が求められます。
専任技術者の設置
水道施設工事に関する国家資格、または所定の実務経験を有する技術者を配置する必要があります。
財産的基礎・社会保険加入
自己資本や資金調達能力、社会保険への適切な加入も重要な審査ポイントです。
水道施設工事は正確な業種判断が重要
水道施設工事は、管工事や土木工事と混同しやすい業種ですが、建設業許可では明確に区分されています。
誤った業種で申請してしまうと、受注できない工事が出てくる可能性もあります。
愛知県で水道施設工事を行う事業者の方は、早めに許可区分を整理し、適切な建設業許可を取得することが重要です。
次回は
「建築工事と建築業の種類・工事の内容・工事の例示」シリーズ第27弾 をお届けします。
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