建設業許可の「種類」をテーマにしたシリーズも、第九弾に突入。今回は、建物の水道・ガス・空調・給排水・衛生設備などライフラインにかかわる専門工事、「管工事業(いわゆる“管工事”)」について取り上げます。愛知県での許可取得を検討する事業者の方に向けて、その内容や注意点を整理しました。

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管工事業とは

「管工事業」は、建物や施設の中で“見えにくいけれど重要な”配管・設備工事を扱います。

具体的には

  • 給水・給湯・排水管、ガス管、油・蒸気・冷媒などさまざまな媒体を通す配管設置
  • 空調・冷暖房設備の設置、空気調和のためのダクトや配管工事
  • トイレやキッチンなど衛生設備の配管および給排水・給湯の整備
  • 厨房、冷凍冷蔵設備、浄化槽、冷暖房設備、工場配管など建物用途に応じた管設備

といった幅広い施工が対象です。要するに、「建物を“使える”状態にするための裏方のインフラ整備」が、管工事の役割です。

建築や土木の構造を作る「一式工事」とは異なり、管工事は配管・設備に特化した「専門工事」に分類されます。


なぜ管工事業の許可が必要か

たとえ“見えにくい”工事でも、配管や給排水・空調などが適切に施工されていなければ、建物全体の機能性や安全性に影響します。そのため、一定の規模・金額の請負では、正式な許可取得が社会的責任として求められます。

特に、請負金額が一定額を超える場合や、複数の工事をまとめて請け負うようなケースでは、無許可での施工は法令違反にあたる可能性があります。


許可取得にあたって満たすべき条件(愛知県の例)

管工事業として許可を得るには、以下のような要件があります。

  • 経営全体を管理する責任者がいること(経営的な体制整備)
  • 各営業所に「専任技術者」を配置すること
  • 社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険など)加入による従業員保護
  • 財産的基礎または信用力の確保
  • 法令で定められた欠格要件に該当しないこと

さらに、専任技術者としては、国家資格(例:管工事施工管理技士など)あるいは一定期間の実務経験などが求められ、技術的にも十分な能力が必要です。

これらの条件を満たし、必要書類を整えて申請を行うことで、「管工事業」の許可を得ることができます。


管工事業の理解が重要な理由

管工事は、建物の構造の良し悪し以上に、入居者や利用者の快適性・安全性・利便性に直結する部分。たとえば、住宅であれば快適な給湯・トイレ・空調、ビルや店舗では厨房や冷暖房、工場ならば冷却設備など。これらすべては管工事によって支えられています。

また、許可が必要な規模の工事を、無許可で行うことは法律違反となるため、事業者として適正な対応が求められます。特に、複数の小口工事に分けて請け負い、あたかも軽微な工事のように見せる手法は法的リスクがあります。


まとめ

「管工事業」は、建設業を構成する多くの“業種”のなかでも、設備・配管に特化した専門的で重要な工事です。
水道・ガス・空調・給排水・衛生設備など、建物を機能させるための“ライフライン整備”を担うため、常に高い技術力と責任が求められます。

愛知県で管工事を請け負おうと考えている事業者、またはこれから許可を取得しようとしている方は、 上記の内容を踏まえて、ぜひ慎重かつ適正な許可申請をご検討ください。


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