当ブログでは「建築工事と建設業許可の種類」をテーマに、各専門工事をシリーズ形式で解説しています。今回の第六弾は 「石工事(石工事業)」 について。

石を扱う工事、と言っても実は業務範囲が広く、造園・外構・墓石工事など多くの分野と深く関わっています。一方で、「石を使えばなんでも石工事」ではないのが建設業許可の難しいところ。

この記事では、愛知県で石工事業の許可取得を目指す方 や、工事区分の判断に迷っている業者様に向けて、わかりやすく整理してお伝えします。


石工事とは?建設業許可での位置づけ

石工事は、建設業法上 専門工事 27業種のひとつ です。
「石を加工し、積み、張り付け、工作物を築造する工事」を指します。

石材の扱いには専門技術が求められ、外構・景観・構造補強など、建築・土木の両面に関わる工事が多いことが特徴です。

石材の重量や施工精度、安全管理が求められることから、専門工事として独立した扱いになっています。


石工事の主な工事内容

石工事に該当する代表的な作業は次のとおりです。

① 石材の加工

  • 寸法調整
  • 面取り
  • 彫刻・研磨 など

② 石材の積み上げ(石積み)

  • 石垣
  • 門柱
  • 墓石
  • 擁壁の石積み

③ 石材の張り付け(石張り)

  • 外壁の石張り
  • 床、アプローチの石張り
  • 庭園の景観舗装

④ ブロック・擬石による施工

石材の代替材として使用される人工石・ブロックも含まれます。

これらは「装飾・仕上げ・外構を形成する工事」である点がポイントです。


石工事に該当する具体例

石工事の典型的な例をまとめると、次のようになります。

  • 石積みの塀、石垣の築造
  • 建物外壁の石張り(大理石、御影石など)
  • 擬石パネルの取り付け
  • 墓石の建立・移設
  • 石の門柱、石階段、庭石の据付
  • 公園・歩道の石張り舗装
  • 法面の石張りによる補強
  • 石鳥居・石碑など石造構造物の設置

外構・造園・墓石工事を請け負う業者様は、多くの場合この業種が必要になります。


他業種との境界に注意

石材を扱う工事は多岐にわたるため、許可区分が混同されやすいのも石工事の特徴です。
よく境界線になる工事は次のとおりです。

● とび・土工・コンクリート工事との違い

  • プレキャストコンクリート部材の設置
  • 重量ブロック据付
  • コンクリート基礎や土留め中心の工事

構造主体をつくる工事は「とび・土工」へ

● タイル・れんが・ブロック工事との違い

  • ブロック造の建築物
  • ブロック塀の主体工事

目的が“構造”ならタイル・れんが・ブロック工事

「材料が石かどうか」ではなく、
工事の目的が“構造”か“仕上げ”か
ここが区分判断のポイントです。


愛知県で石工事の許可を取るメリット

石工事を請け負う業者様には、以下のようなメリットがあります。

【1】500万円以上の工事が請け負える

公共・民間問わず、請負金額が500万円(税込)以上になれば許可が必須です。

外構・墓石・擁壁工事はすぐに500万円を超えるため、実務では“ほぼ必須”に近い業種といえます。

【2】下請・元請どちらも対応できる

石工事業は専門工事のため、元請・下請を問わず幅広く施工可能です。

【3】造園・外構・リフォーム業者との相性が良い

外構・エクステリアで石材を扱う場面は非常に多く、

  • 造園業
  • 墓石業
  • 外構業
  • リフォーム業
    などにとって、事業の幅を広げる武器になります。

石工事業を取得すべき事業者の例

  • 外構・エクステリア工事を主に扱う会社
  • 墓石・石碑工事を行う業者
  • 日本庭園・和風建築の施工業者
  • 石張り・石積みの施工を多く扱う工務店
  • 擁壁工事や景観工事を請け負う造園業者

石材を扱う可能性があるなら、石工事の許可取得を検討しておくべきです。


まとめ|石工事は外構・景観工事の“核”となる専門業種

石工事は、建設業許可の中でも「意匠・景観・仕上げ」に大きく関わる業種です。
墓石・外構・石積み・石張りなど、多くの工事に関わるため、愛知県内でも取得ニーズの高い許可のひとつです。

シリーズでお伝えしているように、建設業許可は業種ごとに細かな境界があり、誤った区分で申請してしまうと後からやり直しになってしまうことも珍しくありません。

石工事が必要かどうか、他業種で代替できるか迷う場合は、ぜひ専門家にご相談ください。

次回はシリーズ第七弾として、また別の専門工事を取り上げます。
引き続きよろしくお願いいたします。


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プロフィール

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建設業許可・開発許可・農地転用・相続手続きなど、
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造成計画の相談から図面調整、関係機関との協議まで一貫してサポートし、
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建設業許可の区分は非常に複雑で、判断を誤ると申請がやり直しになるリスクがあります。

貴社の事業内容に本当に石工事業が必要か、他業種で代替できないかなど、専門の行政書士にご相談いただくのが確実です。

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