〜建築工事と建築業の種類をわかりやすく解説するシリーズ第19弾〜
建設業許可には29種類の専門工事業があり、その中でも相談の多いのが「内装仕上工事業」です。
店舗やオフィスの内装工事、マンションのリフォームなど、多くの現場で必要とされる業種であり、愛知県でも取得希望者が非常に多い許可のひとつです。
本記事では、内装仕上工事の定義、対象工事、工事の例示、そして許可取得のポイントをわかりやすくまとめました。
シリーズ第19弾として、建設業許可の種類を丁寧に解説していきます。
内装仕上工事とはどんな専門工事か
内装仕上工事とは、「建築物の内部の仕上げを行う工事」を指す専門工事です。
壁・天井・床など、建物の内部を仕上げて生活空間・業務空間として整えるために必要な工事がすべて含まれます。
建物の構造部分を扱うのではなく、「最終的な見た目と機能を整える仕上げ工事」に特化している点が特徴です。
内装仕上工事で扱う主な材料
内装に使用される材料は非常に多岐にわたります。
例として、次のようなものがあります。
- 石膏ボード
- クロス(壁紙)
- 天井材・吸音板
- フローリング・カーペット・塩ビタイル
- 造作材・合板
- ふすま・障子
- 畳 など
これらの材料を用いて建築物内部の仕上げを行う工事全般が内装仕上工事に該当します。
内装仕上工事の具体的な工事例
内装仕上工事の範囲は非常に広く、日常的に目にする多くの建築工事が該当します。
代表的な工事例は次のとおりです。
● 天井仕上工事
- 天井のボード貼り
- 天井クロスの仕上げ
- 化粧パネルの施工 など
● 屋内壁工事
- 壁紙の貼り替え
- ボード貼り
- 木製パネルの施工 など
● 床仕上工事
- フローリング張り
- カーペット敷設
- 塩ビタイルの施工 など
● 内装間仕切り工事
- LGS下地+ボードの間仕切り
- 造作壁の新設
- 個室やパーテーションの施工 など
● 和室関連工事
- 畳の新調・表替え
- ふすま・障子の張替え
- 和室の洋室化 など
● 家具工事(造作家具)
- 現場での加工・据付けを伴う家具製作
- 収納棚・カウンターの造作 など
● 軽度の防音工事
- 一般住宅・店舗レベルの防音施工
※劇場レベルの高度な音響設計を伴う工事は別種扱い
以上のように、内装仕上工事は「建物内部に関わる幅広い仕上げ」を網羅する業種となっています。
「内装仕上工事業」の許可が必要となるケース
内装工事を行う場合、次のいずれかに該当すると建設業許可が必要になります。
- 発注者から直接請け負う工事が “税込500万円以上”
- 元請・下請を問わず、建築一式工事で “税込1,500万円以上” または “延べ面積150㎡以上の木造住宅”
内装工事は単価が積み上がりやすいため、店舗改装やマンションリノベーションでは 500 万円を超えるケースがよくあります。
「知らないうちに許可が必要な工事に該当していた」という相談も多いため、早い段階で許可取得を検討することをおすすめします。
専任技術者に必要な資格(内装仕上工事)
内装仕上工事業の許可を取得するには、営業所に配置する“専任技術者”が必要です。
代表的な資格は次のとおりです。
- 2級建築施工管理技士(仕上げ)
- 2級建築施工管理技士(建築)
- 1級または2級建築士
- 内装仕上げ施工技能士 など
学歴や実務経験から要件を満たす場合もありますが、最も多いのは施工管理技士や技能士の資格による要件充足です。
愛知県で内装仕上工事の許可を取得するメリット
愛知県内ではマンション改修、テナント工事、オフィス移転、飲食店の新規出店など内装工事の需要が極めて高く、許可を持っているかどうかが取引条件に影響するケースも多くあります。
許可取得のメリットとしては、
- 大規模工事を直接請け負える
- 信頼性向上につながり元請から声がかかりやすくなる
- 建設キャリアアップシステム(CCUS)とも相性がよい
- 企業としての信用力が増し、融資審査にもプラス
などが挙げられます。
今後継続的に内装工事を行う事業者にとって、建設業許可の取得は大きな武器になります。
内装仕上工事は建築の“仕上げ”を支える重要な専門工事
内装仕上工事は、建物の美観だけでなく、快適性・機能性に大きく影響する重要な工種です。
許可業種の中でも依頼の多い分野であり、愛知県でも多くの事業者が取得を検討しています。
シリーズ第19弾として、本記事では以下を解説しました。
- 内装仕上工事の定義
- 使用材料の種類
- 主な工事内容
- 工事の具体例
- 専任技術者の資格
- 許可取得のメリット
自社が扱う工事が内装仕上工事に該当するか迷う場合は、早めに専門家へご相談いただくことをおすすめします。
次回はシリーズ第20弾として、別の専門工事業について解説していきます。
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