〜建築工事と建築業の種類をわかりやすく解説するシリーズ第18弾〜

建設業許可の専門工事を一つずつ深掘りして解説する本シリーズ。
第18弾は、建物を水から守る“最後の砦”である「防水工事業」 について取り上げます。

屋上、バルコニー、地下、外壁目地など、あらゆる建物に必要となる防水工事。
しかし「どこまでが防水工事業なのか」「塗装や左官など他業種との違いは?」「許可取得には何が必要?」など、現場で疑問の多い業種でもあります。

この記事では、愛知県で防水工事業の許可取得を検討する方向けに、行政書士の視点からわかりやすく整理していきます。

【建設業許可の種類】専門工事の電気通信工事とは?愛知県の行政書士がわかりやすく解説します!㉒
【建設業許可の種類】専門工事の熱絶縁工事とは?愛知県の行政書士がわかりやすく解説します!㉑
【建設業許可の種類】専門工事の機械器具設置工事とは?愛知県の行政書士がわかりやすく解説します!⑳
【建設業許可の種類】専門工事の内装仕上工事とは?愛知県の行政書士がわかりやすく解説します!⑲
【建設業許可の種類】専門工事の防水工事とは?愛知県の行政書士がわかりやすく解説します!⑱
【建設業許可の種類】専門工事の塗装工事とは?愛知県の行政書士がわかりやすく解説します!⑰

防水工事業とは?

防水工事業は、建物への雨水侵入や湿気を防ぐための処置を行う専門工事業種です。

対象となる場所は多岐にわたり、たとえば

  • 屋上・屋根
  • バルコニー
  • ルーフバルコニー
  • 外壁の目地やサッシ廻り
  • 地下構造部分
  • 浴室・水回りの床や立ち上がり

建物の“長寿命化”や“安全性の確保”といった観点でも、防水施工は欠かせない重要工事です。


防水工事の主な工法

防水工事業の範囲は工法によって幅広く、代表的なものは次のとおりです。

● アスファルト防水

熱工法や常温工法などを用い、アスファルト層を積層して防水層を作る工法。
ビル屋上などで最も一般的。

● シート防水

ゴム系や塩ビ系の防水シートを貼り付けて施工する方式。
施工性が高く、改修にも使われやすい。

● 塗膜防水

ウレタンなど液体の防水材を塗布し、防水膜を形成する工法。
複雑な形状にも対応でき、住宅バルコニーなどで多用。

● シーリング工事

外壁目地やサッシ回りなど、水が入りやすい隙間をシール材で塞ぐ工事。
単独でも防水工事業に該当。

● ひび割れ補修(注入工法等)

コンクリートのひび割れへ樹脂を注入し、雨水侵入を防ぐ工法。
改修工事での需要が高い。


防水工事に該当する業務の例

防水工事業に該当する典型的な工事は以下の通りです。

  • マンション屋上のアスファルト防水や改修防水
  • 戸建てバルコニーのウレタン塗膜防水
  • 外壁サイディング目地のシーリング打ち替え
  • サッシ廻りのシーリング補修
  • 地下ピットや地下室の防水処理
  • コンクリートひび割れ補修(樹脂注入)
  • FRP防水の新設・改修

現場によっては、塗装工事業・左官工事業と区分が曖昧になりやすい場面もありますが、水の浸入を防ぐ目的で防水層を形成・保持する工事が「防水工事業」の範囲となります。


愛知県で防水工事業の建設業許可を取るには

防水工事業を許可業種として取得する場合、他業種と同様に以下の要件を満たす必要があります。

① 経営業務の管理責任者(経管)の設置

一定期間、建設業の経営経験が必要。
法人・個人いずれも設置が必須です。

② 専任技術者の配置

防水工事業を担当する専任技術者として、次のいずれかを満たす必要があります。

  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 防水施工技能士 等の資格
  • または一定年数の実務経験(原則10年以上)

※実務経験での証明は、請求書・注文書・写真・作業日報など多数の資料が必要となり、最もつまずきやすい部分です。

③ 財産的基礎

500万円以上の自己資金またはそれに準ずる財務基準。

④ 欠格事由に該当しないこと

社会保険加入、反社会的勢力との関係がないこと、罰金刑等の制限も含む。


許可が不要なケース(軽微工事)

請負金額が 税込500万円未満の工事(材料代込み) であれば、建設業許可が不要な「軽微な工事」に該当する場合があります。

ただし、防水工事は単価が比較的高く、500万円を超える現場に携わる事業者は多いため、許可取得によって受注の幅が大きく増える業種です。


防水工事業は建物を守る“縁の下の力持ち”

防水工事は、建物の耐久性や安全性に直結する、極めて重要な専門工事です。

  • 屋上やバルコニーの防水
  • 外壁の目地シーリング
  • 地下の漏水対策
  • 改修時のひび割れ補修

こうした工事を請けるためには、確かな技術と適正な許可が必要です。

愛知県で防水工事業の建設業許可を取得したい事業者様は、
専任技術者の要件確認 → 経管の要件確認 → 財務基準の確認 → 必要書類準備
という流れで準備を進めていくとスムーズです。

防水工事業の許可申請、他業種との同時申請、経管・専任技術者の判定など、
専門的な部分もお気軽にご相談ください。


建設業許可を検討するなら専門家への相談が確実

「うちは応援が中心だけど、許可が取れるの?」
「請負実績として認められるのはどれ?」
「工事の完成責任ってどこまで必要?」

こんな疑問があれば、建設業許可専門の行政書士に相談するのが安心です。

すずきなおと行政書士事務所では、
建設業許可の取得・更新・変更のほか、
財務書類・人員要件チェックなども含めて対応しています。

建設業許可の総合サポートサイト
建設・住宅サポート行政書士事務所(https://kensetsu-jutaku-support.com/)
こちらもぜひ参考にしてみてください。

☞お問い合わせフォームはこちら


プロフィール

行政書士すずきなおと事務所


建設業許可・開発許可・農地転用・相続手続きなど、
土地と建設に関わる許認可を専門とする行政書士。
造成計画の相談から図面調整、関係機関との協議まで一貫してサポートし、
「わかりやすく、正確で、早い手続き」を大切にしています。

◎所在地:愛知県(全国対応)
◎お問い合わせは 公式サイトよりお気軽にどうぞ。


防水工事業 許可要件チェッククイズ