〜建築工事と建築業の種類をわかりやすく解説するシリーズ第29弾〜
本記事は、建設業許可の「建築工事と建築業の種類」をテーマにしたシリーズの第29弾・最終回として、専門工事の中でも近年重要性が高まっている「解体工事業」について解説します。
老朽化建物の建替え、用途変更、再開発、住宅地の更新など、解体工事は地域のまちづくりや建築計画の出発点となる工事です。単に建物を取り壊す作業ではなく、構造・安全・環境・周辺住民への配慮をふまえて計画的に行われる高度な専門工事として位置づけられています。
ここでは、建設業許可の種類の中での「解体工事業」の位置付けとともに、建築工事との関係・工事内容・代表的な工事例を整理していきます。
建築工事と建築業の種類 :一式工事と専門工事の整理
建設業許可は、工事の性質によって
- 建築一式工事(総合的な建築工事)
- 専門工事(特定分野を担当する個別工事)
に区分されています。
建築一式工事は、複数の専門工事を統合し、全体の企画・施工管理を担う総合工事です。一方、専門工事は、それぞれの分野に特化した技術・技能をもとに、部分的・限定的な工事を担当する業種となります。
解体工事業はこの専門工事の一つとして独立した位置づけとなっており、建物や工作物を安全に解体・撤去するための知識や施工体制が求められます。
解体工事業の工事内容 : 「壊す」だけではない専門性
解体工事業に該当する主な工事内容は次のとおりです。
- 木造・鉄骨造・RC造など建物の解体
- 住宅・共同住宅・工場・倉庫・事務所の取り壊し
- 基礎・土間コンクリートの撤去
- 外構・工作物・附帯設備の解体
- 地中障害物の除去
解体工事は、構造の種類や立地条件によって工法が大きく変わります。
さらに実務では、
- 落下・倒壊防止などの安全管理
- 振動・騒音・粉じんの抑制
- 近隣住民・通行者への配慮
- 廃棄物・再資源化の適正処理
- アスベスト(石綿)対策
など、法令遵守と環境配慮を伴う総合的な施工管理が不可欠です。
このような背景から、解体工事業は単なる付帯作業ではなく、独立した専門工事として許可整理が求められる分野となっています。
建築工事との関係 :「解体から建築」への一体的な流れ
建替えや再開発の現場では、
- 既存建物の解体
- 更地化
- 新築または再利用
という流れで工事が進むことが一般的です。
そのため建築一式工事を受注する事業者であっても、
解体から建築まで一体で請け負うケース
は少なくありません。
この場合、
- 建築一式工事の許可
- 解体工事業の許可
の両方を整理しておくことで、
- 契約・請負範囲を明確化できる
- 許可範囲外の受注リスクを防げる
- 元請としての説明責任を果たせる
といった実務上のメリットがあります。
今後も解体を含む案件が継続する事業者においては、専門工事としての許可取得を検討する価値が高い業種といえます。
解体工事の工事例 :現場イメージ
代表的な工事例を挙げると次のようになります。
- 木造住宅の解体と敷地更地化
- 老朽化共同住宅の建替え前解体
- 商業施設の用途変更に伴う構造解体
- 工場棟・倉庫の撤去
- 鉄筋コンクリート造ビルの段階解体
- 擁壁・外構・工作物の撤去
同じ「解体工事」でも、
- 構造形式
- 周辺環境
- 施工条件
によって、求められる管理レベルや工程計画は大きく異なります。
その点で、解体工事業の許可は専門性と責任の明確化という意味を持っています。
シリーズ最終回としての「解体工事業」
本記事は、建設業許可の種類を体系的に整理するシリーズのラスト第29弾として、
- 解体工事業の位置づけ
- 建築工事との関係
- 工事内容・工事例
を解説しました。
解体工事は、建物の終わりではなく、
次の建築・まちづくりへつながる最初の工程です。
愛知県で解体工事を事業として扱う場合、
- 今後の受注方針
- 受け持つ工事範囲
- 体制・技術者配置
に応じて、許可の整理を検討していくことが重要になります。
本シリーズが、建設業許可の理解と実務整理の一助となれば幸いです。
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