今回は会社設立時に、選択する可能性のある合同会社について、株式会社と比較しながら解説していきます!
Aさんの相談のケース
Aさんは会社設立において、相談に来られました。相談内容としては、Aさんが1人で出資して、役員には入らずに経営は別の者に任せたいということでした。また、同じような会社をいくつか作りたいので、コストを抑えたのいので、知人から合同会社だと安く設立できると聞いたので、合同会社の設立をお願いします。
さて、この場合は合同会社という選択は正解なのでしょうか?
合同会社とは
全ての社員が有限責任社員であり、出資の額までしか責任を負わない。
会社法590条 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。
株式会社とは
出資者である株主で構成され、会社経営は株主総会で選任された取締役が取締役会を構成し、そこで経営に関する意思決定を行う。業務執行は、取締役会で選定された代表取締役が行う。
株主は債権者に対して直接責任を負わず、かつその責任は出資の限度額に限られる。=関節有限責任
株式会社と合同会社の違い

最大の違いは
株式会社は所有と経営が分離している。
合同会社は所有と経営が分離していない。と言う所にあります。
Aさんのケースでは合同会社でいける?
冒頭の問題に戻ります。
節税対策でしょうか。いくつか作りたく費用を抑えたいという点では、合同会社の選択が良さそうですね!
ただ、最初の出資をして経営を別の者に任せるという点ですね。これは、株式会社の方に当てはまります。合同会社であれば出資者=経営者となるので、この時点で合同会社という選択肢はなくなります。
合同会社を選んだ方がいい場合を教えて!
では、株式会社より合同会社を選んだ方がいい場合を紹介して行きます。
1.設立費用を抑えたい
株式会社は定款の公証人認証等が必要となり、20万前後の費用がかかります。一方、合同会社はその必要がなく、6万前後で済み、初期費用が抑えられます。
2.経営の自由度を優先したい
合同会社は株式会社と違い、所有と経営が分離してるので自由が利きます。また出資の割合にも左右されない点も大きな違いです。
3.利益の分配方法を自由に決めたい
株式会社は出資割合に応じる形になりますが、合同会社は出資額に左右されません。出資額は少ないけど、大半、働いてる方に利益を多く配分するといったことが可能です。
4.小規模で長期的に運用したい
株式会社は役員の任期があり、都度都度、登記が必要となり費用が発生します。合同会社は任期がないので、その心配はありません。
合同会社のデメリット
なんだか、合同会社の一択じゃないかという雰囲気になってきましたが、ここでデメリットも紹介します。
1.信用度が低い
合同会社も増えてきて、認知されるようになっているとはいえ、株式会社と比べるとまだ少なく、銀行融資や大手企業との取引では不利になることがあります。
2.上場できない
株式会社でなく、株式公開ができないので将来的に上場したくても、合同会社では上場できません。
まとめ
・小規模、低コスト、経営の自由度を求めるなら合同会社
・大規模展開、信用力、上場を目指すなら株式会社
会社設立はゴールではなくスタートです。ここでつまずくわけには行きません。
当事務所では、設立から経営のサポートまでの一貫したサービスを目指します。株式会社か合同会社か迷ったら、どちらがいいのかを一緒に検討し、丁寧にサポートいたします。
「自分は一体、どちらの会社設立が合っているのだろう?」とお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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ブログ記事冒頭のAさんのケース(出資のみ、経営は別の者に任せる)を叶えるには、合同会社が最適な選択肢である。
〇か✕か?
合同会社は、定款の公証人認証が不要なため、株式会社より設立費用を安く抑えられる。
〇か✕か?
合同会社は株式会社と比較して、銀行からの信用度が高く、融資を受けやすい。
〇か✕か?
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正しい会社形態を選ぶことは、事業成功への第一歩です。